甲状腺がん研修会を行いました
平成30年1月21日(日)
郡山市のミューカルがくと館で、甲状腺がん研修会を行いました。
福島県では原発事故が起こり、当時18歳以下だった子ども達に対し、甲状腺検査が始まりました。
それ以降、甲状腺がんおよび甲状腺がんの疑いの子ども達が見つかり、甲状腺がんと診断された子ども達の多くは手術を受けています。
これまであまり意識することのなかった甲状腺ですが、検査を受けることで安心できる子と不安になる子の両方がいます。
B判定とされた子ども達は「がんになるのではないか」と不安な気持ちのまま生活をし、
甲状腺がんと診断された子ども達は、がんと診断されたショックと、原発事故のせいではないのかという怒り、
これから自分はどうなってしまうのかという不安を抱きます。
手術を受けた子ども達も、「予後が良い病気だから」とは言われても、再発の心配、これからの生活・人生に強い不安などを抱えながら生活しています。
現在、県民健康調査などでは、「放射線の影響とは考えにくい」との判断ですが、原発事故がなければ心配せずに過ごしていたかもしれないこの病気に対し、不安を抱えている方々に寄り添って支援をしていけるよう、研修会を行いました。
今回は福島の現場で活動されている先生をお招きしました。
放射線治療を行っている福島県立医科大学 放射線腫瘍学講座の佐藤 久志先生から放射線の知識と影響についてお話をいただき、福島県で起こったことや、科学的な見解、健康のリスクとの関係などを教えていただきました。
甲状腺の検査を実際に行われている福島県立医科大学 放射線健康管理学講座県民健康管理センター 甲状腺検査室の緑川 早苗先生からは、甲状腺の知識や検査結果の見解、スクリーニングの課題などについて教えていただきました。
2名の先生のお話を聞き、これまで見聞きしてきたことが繋がり、整理することができました。
佐藤先生、緑川先生、ありがとうございました。
いろんな立場や物の見方によって見解はいろいろありますが、
甲状腺のことで不安になったり困っている方々のお力になれるよう、今後も勉強を重ね、支援していけるように取り組んでいきたいと思います。